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さぁ今日もブログを書こ~と ふと画面左下を見たら
面白そうなブログネタがあったので
ちょっと書いてみようと思います。

お題:『楽しかった青春時代の思い出』

あれは中学校の卒業式。

私自身は地味目の陰キャだったので
甘酸っぱい思い出とかそんなの一切ないのですが。

友人になぜかひとり
めちゃモテ委員長みたいな子がいまして。
なんでこの子 私と友だちになってくれたの?と
恐れ多くなるような美少女だったのですが

なんとその子
ある男子の第二ボタンが欲しいというのです。

いや余裕でしょ!
きみが頼めばどんな男子も全ボタン差し出すよ!と
思ったのですが

この子がとんだシャイガールで
「面と向かって第二ボタンくださいなんて
そんなこと言えない」っていうのです。

「でも言わないと!」
「早くしないと彼、帰っちゃうよ!?」
「他の子にもらわれちゃうかもよ!?」

などと私を含めた外野は騒ぎ立てるのですが
彼女は恥ずかしそうにうつむくばかり。

きっと本当に言えないんだ。
でも本当に第二ボタンが欲しいんだ。
なんとかこの子に第二ボタンを手にしてほしい。

そう思った私は

「じゃあ、私が代わりにもらってこようか?」

と申し出ました。

このすぐしゃしゃり出る感じ!
すごい中学生っぽい!

しかしこのおせっかい極まる申し出に
彼女は小さく頷きました。

さて、私自身は地味目の陰キャ。
中学三年間を振り返っても、
男子とまとも話した回数など片手で足りるくらいです。

でもきょうは卒業式!
恥はかき捨て、もう関係ない!
まして相手は好きでもなんでもない男!
なんなら名前もきょう知った!
どう思われてもマジどうでもいい!

そんな無双状態で私は彼に声をかけました。

「はじめまして。突然すみません。
私の友人に第二ボタンをあげてあげてくれませんか?」

彼、ポカン。
いやまぁそりゃそうですよね。

一緒にいた彼の友人が
「とりあえず第二ボタンくれってことじゃないの?」と
ナイスフォローしてくれなければ
私は第二ボタンも手に入れられず
三年間の集大成となるべき良き日に
とんだ黒歴史を更新していたかもしれません。

取ったどー!とばかりに
持ち帰った第二ボタンを手渡すと
彼女は「ありがとう」と何度もお礼を言いながら
真珠のような涙を零して喜んでくれました。

彼も私のような謎の女じゃなく
真珠の涙を零すこの美少女が来てくれた方が
ぜったい嬉しかったし
両者にとって最高の思い出になったんだろうな……と
今でも思いますが

私は最後の最後に『美少女に泣きながら感謝される』という
最高の思い出を追加できたので
我が生涯に一片の悔いなしの心持ちでした。

かわいい友人の初心な片思い。
学生服の第二ボタン。
おせっかいなヒーロー気取り。

今やあれこれ考え気を遣い、
こうも他人の事情に踏み込めない。

もう二度とないシチュエーションと
もう持てないであろうあの勇気が

あの楽しかったひとときを
忘れ得ぬ青春時代の思い出たらしめているのです。